「世界最新の太らないカラダ」ジェイソン・ファン著 多賀谷正子訳

公開日: 更新日:

 肥満の原因として真っ先に思い浮かぶのは、食べ過ぎと運動不足。しかしカロリーを減らして運動量を増やしても、理想通りに痩せることは不可能だと世界的な減量専門医である著者は断言する。

 減量の鍵を握るのはホルモンであり、肥満と深い関係にあるのがインスリンだという。インスリンはエネルギー代謝を調節する働きを持ち、脂肪の蓄積や貯蔵を促進している。インスリンが過剰に分泌される状態が続くと、脂肪の蓄積が増えるというわけだ。

 また、インスリン値が高くなると満腹信号を出すレプチンの働きが阻害される。レプチンは体脂肪が増えると食べる量を減らして体を理想体重に戻すよう、視床下部に働きかける作用がある。しかし、インスリン値が高い状態が続き、これに対抗してレプチンが分泌され続けると、脳がレプチンへの抵抗性を持ち、体重を落とすことができなくなる。

 もうひとつ、肥満につながるホルモンに、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールがある。大量に分泌され続けると血液中の糖を増やす作用があり、これによってインスリンの分泌量も増えることが分かっている。つまり、長期間ストレスを感じていると、体は脂肪を蓄積しやすくなり、体重が増えてしまうのだ。

 本書では、ホルモンをコントロールして体重を減らす日常の工夫を紹介。例えば、睡眠は7時間取ること。睡眠不足は強いストレスとなり、コルチゾールの分泌を促す。一晩睡眠が不足するだけでコルチゾールの値は増加し、翌日の夜になっても通常の37~45%も高い状態が続くという報告もあるそうだ。

 いい脂肪をたっぷり取るなど、二度と太らない体をつくるための新常識が満載だ。

(サンマーク出版 1600円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • BOOKSのアクセスランキング

  1. 1

    一度は行ってみたい世界遺産、飛鳥・藤原の宮都を知る本特集(2)遺跡から浮かび上がる古代人の日常

  2. 2

    一度は行ってみたい世界遺産、飛鳥・藤原の宮都を知る本特集(3)失われた宮都の景観をCGで再現

  3. 3

    一度は行ってみたい世界遺産、飛鳥・藤原の宮都を知る本特集(4)古代日本の礎を築いた6人8代の女性天皇

  4. 4

    「書かなきゃいけない 日航123便墜落、41年目の真相」青山透子著│事故調査報告書にはいくつもの矛盾が

  5. 5

    (67)戦が終わらねば骸だらけに

  1. 6

    こころの本屋(豊島区・東長崎)「自分の盛大な積ん読本というか『読みたい』と思った本を仕入れています」

  2. 7

    一度は行ってみたい世界遺産、飛鳥・藤原の宮都を知る本特集(1)飛鳥はなぜ宮都に選ばれたのか

  3. 8

    「生まれたくなんかなかったのに」小島和男著│「反出生主義」から問う生まれてしまった者の生き方

  4. 9

    4日後に閉館するホテルで人探しという奇妙な依頼「月下の盤」睦月準也著

  5. 10

    当事者視点から学ぶ規格外を排除する社会の病「認知症の進行を早める生活、遅らせる習慣」丹野智文、恩蔵絢子著/中央法規出版(選者:稲垣えみ子)

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「救命病棟24時」江口洋介復帰で初回2ケタも…松嶋菜々子不在の第2シリーズが“歴代最高”、松雪泰子の「香坂先生」待望論

  2. 2

    寺脇康文→及川光博「相棒25」“途中交代”にフィナーレの予感… 歴代相棒集結を望むファンの期待と寂しさ

  3. 3

    グダグタの横浜市長選…「組織戦の“素人”候補vsカジノ争点化に躍起のパワハラ前職」の展開で終盤戦へ

  4. 4

    巨人が貧打解消へ「由伸2世」がドラ1候補に急浮上! 明大・榊原七斗は将来トリプルスリー狙える逸材

  5. 5

    ファン大注目の“匂わせカップル”鎮西寿々歌&ミセス大森元貴 2人揃ろって否定しても熱愛説が消えないワケ

  1. 6

    知らぬ間に医療情報ダダ漏れ…相次ぐサイバー攻撃に逆行する政府案「本人同意不要」の“大穴”

  2. 7

    萩本欽一〈54〉「桃屋」がスポンサーになった奇跡の裏側と「テレビの常識を覆した独自のスポンサー論」

  3. 8

    星野仙一監督が“外様”でも阪神を変えられたワケ…墓参り、大阪ナンバー、裏方の妻へカニ

  4. 9

    日テレ河村亮アナと菅谷大介アナは50代で死去…「俺たちの箱根駅伝」放送開始で改めて追悼の声

  5. 10

    星野仙一は阪神に残るつもりだったが…優勝で収入倍増も、電鉄の“閉鎖体質”は変わらなかった

おすすめ求人情報

Sponsored by 求人ボックス