「ODAダムが沈めた村と森」コトパンジャン・ダム被害者住民を支援する会著
2002年、東京地裁にインドネシア・コトパンジャン・ダム被害者住民の損害賠償請求裁判が提訴された。被告はダムプロジェクトを推進した日本政府、国際協力銀行、JICA、東電設計の4者。独裁体制を敷いていたスハルト政権は、開発を推し進めていた。
このプロジェクトはスマトラ島リアウ州の電力不足を解決するために計画された。1992年、ダム建設のために政府は軍隊を動員し、銃で脅して住民を移転させた。移住先には粗末な家屋と水の出ない井戸、荒れ地のような農地しかなく、ゴム園用の苗木は枯死した。補償金も満額はもらえなかった。
ODAという名のもとに行われた自然破壊と住民の生活破壊の責任を問う裁判の全記録。
(緑風出版 2400円+税)