公開日: 更新日:

「はじめて学ぶLGBT」石田仁著

「同性パートナーシップ」制度の発足から3年。いよいよ進み始めたLGBTQ時代。


 近ごろは大学の授業でも取り上げられるようになったLGBT。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー。最新の流れではQというのが入ることもあるが、では一体何がどう違うのか。

 たとえば「性自認」と「性的指向性」。前者は自分で自分を「男」と思うか「女」と思うか、ということ。後者は自分が男に魅力を感じるか、女になのかということ。自分を「女」と思う(外見上)男が必ずしもゲイとは限らないということだ。

 自分からLGBTであることを告白するのは「カミングアウト」だが、それを本人の同意なく暴露するのは「アウティング」。カムアウトされた男子大学院生がSNSでアウティングし、暴露された院生が死亡するという事件も東京で数年前に起こっている。そうした現状をふまえ、初歩からていねいに解説した手引書。

(ナツメ社 1600円+税)

「僕が夫に出会うまで」七崎良輔著

 2015年9月、同性愛者の「亮介君」と江戸川区役所に婚姻届を提出した著者。窓口は「いったん預からせていただいても、よろしいでしょうか」と返答。結局「不適法ゆえに不受理」との紙を貼って返送されてきたという。

 しかし翌年、2人は築地本願寺で挙式。双方の両親も出席し、宗派公認で同性婚を「社会的に」果たした。その後、19年には同性パートナーシップ証明制度を導入した江戸川区で第1号の取得者に。

 そんないきさつを記したブログが評判になって本書の出版となった。父母ともにスポーツマン。「最初の子は絶対男の子!」と決めていたような両親のもとでの幼年時代を含め、現代の若者らしい心の揺れが素直につづられている。

(文藝春秋 1300円+税)0

「ナタンと呼んで」カトリーヌ・カストロ原作 カンタン・ズゥティオン作画 原正人訳

 中1になった少女がふくらみ始めた自分の胸に強烈な違和感をおぼえる。いとこに対する恋心、生理への嫌悪、リストカット、やがて両親に打ち明けたのは「ぼくは娘じゃない。ナタンと呼んで」。ナタンはフランスで普通の男性名なのだ。

 副題は「少女の身体で生まれた少年」。雑誌「マリ・クレール」記者が取材した実話をもとにバンド・デシネ(フランス版マンガ)に仕上げたフランスで話題の本。

(花伝社 1800円+税)

【連載】本で読み解くNEWSの深層

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・戸郷翔征トレード獲得に他球団が虎視眈々 「ウチなら再生できる」「環境を変えた方がいい」

  2. 2

    「投手の墓場」で好投する菅野智之の価値 僕が日本人史上2人目の本塁打を打ったのもクアーズフィールド

  3. 3

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に堕ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体

  4. 4

    磐越道バス事故で問われる運行会社と学校の罪と賠償責任…「数億円規模になるのでは」と弁護士が見解

  5. 5

    巨人にFA松本剛は必要だったのか…批判殺到する本人よりも「責められるべき人間がいる」と他球団関係者

  1. 6

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  2. 7

    倉田保昭さん80歳でも現役のアクション俳優「ストレッチが一番大事。おかげで痛いところはありません」

  3. 8

    渋野日向子×テレ東イケメンアナ“お泊り愛”の行方…女子プロは「体に変化が出る」とも

  4. 9

    衆院選「中傷動画」問題で高市首相「秘書を信じる!」超強気答弁が“命取り”に…追及ネタ再投下される恐れ

  5. 10

    サバンナ高橋“10年いじめ”問題の波紋…NHKは「番組出演は変更なし」と回答もイメージダウン不可避