「寂聴先生、ありがとう。」瀬尾まなほ著

公開日: 更新日:

 作家・僧侶の瀬戸内寂聴氏の秘書を務める著者が、出会ってから8年の日々を記したエッセー集。

 法話やテレビで、まるで神がかったような存在として扱われる「先生」。一緒に外出すると「そんなにすごい人なんだ」と実感するが、家の中や著者の前では本当に「ただの変な年寄りのおばあさん」でしかないという。コーヒー1杯の値段も知らないという素顔、そして「人生は恋と革命だ」と常々語り、恋愛するようハッパをかけられる日々。さらに先生に忍び寄る老いや、自らの恋愛・結婚まで、飾らずに明かす。

「この晩年にあなたという子がうちに来てくれてよかった。楽しませてくれて、笑わせてくれるから」と先生に言わせるほど、明るい年の差66歳の日常をつづる。 (朝日新聞出版 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言