「カエルの小指」道尾秀介著

公開日: 更新日:

 阿部寛、石原さとみ、能年玲奈らで映画化され評判になった「カラスの親指」の続編。詐欺師のタケこと武沢竹夫が掏摸で一家を支えている少女まひろらと、ヤミ金業者に一世一代のペテンを仕掛けてから十数年後。実演販売で身すぎをしている武沢がホームセンターでジューサーを売っていると、キョウという中学生が弟子入りを志願してきた。

 事情を聴くと、キョウの母親が詐欺師に騙されて両親の会社が倒産、悲観した彼女はビルから飛び降りた。その詐欺師ナガミネを捜す探偵料を稼ぐために、テレビの天才キッズコンテストで実演販売を披露して優勝し、賞金を獲得したいという。

 武沢はキョウに特訓を施すとともに、かつての詐欺仲間、まひろ、その姉のやひろ、やひろの夫の貫太郎、そして、やひろ夫妻の息子で小学生ながらITに詳しいテツも加え、ナガミネに一杯食わせるべく大がかりなペテンを仕掛けるのだが、キョウの復讐には意外な秘密が隠されていた――。

 前作同様、幾重にも仕組まれた仕掛けが最後に見事に収束し、カタルシスをもたらしてくれる。

(講談社 1700円+税)

【連載】ベストセラー読みどころ

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状