「房総グランオテル」越谷オサム著

公開日: 更新日:

 シーズンオフの平日、高2の夏海の両親が営む外房・月ケ浦の「房総グランオテル」に3人の宿泊客がやってきた。名前は仰々しいが、中身は家族経営の漁師民宿兼食堂だ。長髪で革ジャケットに赤パンツの中年男・菅沼をはじめ、陰気な女性の一人旅・佐藤、そしてカメラバッグを提げた素泊まりの田中と、3人はいずれも訳ありの様子。夏海は佐藤が死に場所を求めて当地に来たのではないかと疑い、積極的に話しかけるが反応は薄い。

 一方、鉄道マニアの田中の目的は、以前、月ケ浦の駅で撮影した写真に偶然写っていた美少女との再会だった。夏海らは気づいていないが、死に場所を求めてこの宿にやって来たのは菅沼だった。

 人懐こい民宿の看板娘と訳ありの客たちが織りなす人間ドラマ。

(祥伝社 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動