「クジオのさかな会計士」ジャンニ・ロダーリ著 内田洋子訳

公開日: 更新日:

 名物の祭りに参加するため北イタリア、ペッテナスコ村を訪ねた作家の「私」は、オルタ湖の桟橋で作品の構想を練っていた。すると、湖から体中をびっしりと海藻で覆われた男が現れ話しかけてくる。

 オメーニャ村の会計士ポラローリと自己紹介した男は、仕事の合間にトレーニングを積んでいるという。よく見ると、男の足は天然のフィンと化していた。さらに6カ月ほど練習を積めば、肩にヒレが生えてくるはずだという。聞くと、男は魚になるためにトレーニングをしているのだという。環境汚染で生き物が絶えた大切な故郷クジオの湖を「死んだ湖」と言わせないためらしいが……。

 そのほか、カエルのように前に歩く練習を始めたエビなど奇想に満ちた60作を収録した掌編集。

(講談社 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 3

    長嶋一茂が晒した「長嶋家タブー」の衝撃!ミスターとの“今生の別れ”、妹・三奈との根深い確執も赤裸々

  4. 4

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  2. 7

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  3. 8

    父の死去で長嶋一茂は“天然キャラ”封印…KY発言に噛みつく「不謹慎警察」のエジキになる恐れ

  4. 9

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  5. 10

    「ルンバ」のアイロボット社に事業継続困難疑惑…代表執行役員社長が舞台裏を説明