「EV(イブ)」高嶋哲夫著

公開日: 更新日:

 地球温暖化に対処するため、世界各国が2030年までに新車販売を電気自動車に限定するとの方針を打ち出す中、経産省製造産業局自動車課の瀬戸崎は焦りを募らせていた。中国や欧米は、ガソリン車、ハイブリッド車で抜きんでた技術を持つ日本を追いかけることを諦め、新しいルールで自動車業界をリニューアルしようとしているとしか思えないからだ。

 日本も早急にEVにシフトしなければ出遅れてしまうのは明らかだが、500万人の雇用を支える自動車は日本の最重要産業であり、業界も政治家の動きも鈍い。瀬戸崎は、EVの先頭を走る米国テスラのCEOや日本の大手自動車会社の社長が中国と接触していると知り、不安がよぎる。

 日本の自動車産業の未来に警鐘を鳴らす問題作。

(角川春樹事務所 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  3. 3

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  4. 4

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  5. 5

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」【全編】

  1. 6

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  2. 7

    上野樹里“ガン無視動画”にネット騒然! 夫・和田唱との笑顔ツーショットの裏のリアルな夫婦仲

  3. 8

    立浪和義の「白米禁止令」は星野仙一イズムの継承だろう…かつては自身も大目玉を食らっていた

  4. 9

    激太り危機は今や昔…浜崎あゆみ「激ヤセ説」も「連日ケーキ2個」の健啖ぶり

  5. 10

    パックン、長谷川ミラにも批判殺到…「ABEMA」違法外国人問題を巡りフィフィも参戦、海外ルーツのタレントにも分断起きる