「先祖探偵」新川帆立著

公開日: 更新日:

「先祖探偵」新川帆立著

 先祖探偵を名乗る風子の事務所に、曽祖父を捜してほしいと依頼人の甲斐が訪ねてくる。

 甲斐によると、宮崎県日南市役所の職員・黒木が東京の自宅を訪ねて来て、曽祖父の三郎が来月111歳になり、日本最高齢の男性として市で表彰したいと言われたという。亡き祖父は確かに宮崎出身だが、甲斐は曽祖父が生きているなど聞いていない。

 黒木によると本籍地に本人は住んでおらず居所を探しているらしい。風子は死亡届が出されないまま戸籍が残る「幽霊戸籍」の可能性が高いと説明するが、生死にかかわらず三郎のことを調べてほしいと頼まれ調査を始める。

 ほかにも、宿題で先祖を調べる中学生からの依頼など、自身も5歳で生き別れた母親を捜す風子を主人公に描く連作集。

(角川春樹事務所 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず