「日本語と漢字」今野真二著

公開日: 更新日:

「日本語と漢字」今野真二著

 かつて日本語は、言語を視覚的にあらわすための文字を持たない「無文字言語」だったが、5世紀半ばに日本語をあらわすための文字として漢字を使い始め、「かきことば(文字言語)」がそろった。

 音声言語を文字化するにあたって「文字化のしかた」が1つしかない言語は「正書法があることば」と呼ばれる。例えば日本語では「心」は「こころ」「ココロ」と少なくとも3通りの文字化の仕方がある。だが、英語の「heart」はローマ字をこの順番に並べなければ間違ったつづりになるので正書法があることばということになる。

 日本語は、表音文字である仮名を生み出した後も表意文字である漢字を使い続けた。本書は、「正書法がない」という観点に注目して日本語の歴史を解説したテキスト。

(岩波書店 1034円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状