「エスノグラフィ入門」石岡丈昇著

公開日: 更新日:

「エスノグラフィ入門」石岡丈昇著

 エスノグラフィとは、対象世界(フィールド)に分け入り、長期間過ごしながら人々の生活について記述する、人類学や社会学で用いられる研究手法であり、そうして生み出された作品そのものを指す言葉でもある。

「エスノグラファー」として、これまでフィリピンのボクシングジムやスラムに関するエスノグラフィを執筆してきた社会学者の著者は、エスノグラフィの核心とは「生活を書く」ことだと説く。

 本書は、フィリピンのマニラのスラムに隣接する地区で、現地のボクサーと共同生活をしながら調査研究を進めた自らの体験や、シカゴの都市問題を研究するシカゴ学派と呼ばれる研究者たちによるエスノグラフィなど、名作を紹介する。

 それら手法の実際と魅力を伝える入門テキスト。

(筑摩書房 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?