「日の出」佐川光晴著

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「日の出」佐川光晴著

 明治41年春、中学2年に進学した清作は近所に住む豪商の息子・幸三郎の手引きで故郷の小松を出る。兵役から逃れるための出奔だった。日露戦線から戻ってきた父親の死にざまを見て以来、清作は戦争が恐ろしくて仕方がないのだ。末は大将か大臣といわれるほど文武に優れた幸三郎の紹介で、美作の鍛冶屋で働き始めた清作だが、兄の探索から逃れるため、筑豊の炭鉱へと流れつく。

 一方、現代を生きる大学生のあさひは、母方の曽祖父にあたる清作に興味を抱く。誰も詳しいことを知らなかったからだ。中学生のときの在日朝鮮人の転校生との1日だけの出会いをきっかけに教職を目指すあさひは、採用試験を終えたら清作について調べてみるつもりだ。

 過去と現代を行き来しながら清作の数奇な人生を描く長編小説。

(集英社 770円)

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