佐野広実(作家)

公開日: 更新日:

1月×日 ご存じと思うが、ミステリーの小説やドラマには一種のパターンがある。「ラストは断崖絶壁」といったものではなく、物語の構造のことだ。例えば「最初のうち犯人かと怪しまれていた人が実はいい人で、いい人と思われていた奴こそが真犯人だった」などは定番だ。もちろん何の根拠もないまま「真犯人」を指摘しても誰も納得しないから、探偵役が「新事実」を暴露して「まるっとお見通しだ」となる。ただし、この「新事実」が間違っていた場合「真相」は捻じ曲げられ、正しい犯人にたどり着けない。現実問題で同じような事態が起きたら、とんでもないことである。

 黒猫ドラネコほか著「陰謀論と排外主義~分断社会を読み解く7つの視点~」(扶桑社 1100円)はカルトや陰謀論、排外主義などに対する当代の識者が論考をまとめた1冊で、目下世界規模で起きている現象をどう捉えればよいか参考になる1冊だ。

 で、「やはり」と思ったのだ。陰謀論の根っこにある思考方法はミステリーのパターンに毒された結果なのではないか、と。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジとTBSは「朝8時戦争」“初打席”で空振り三振…テレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」独走いよいよ決定的

  2. 2

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 3

    ローム、東芝・三菱電機が統合へ…パワー半導体をめぐる3社連合をデンソーが買収か

  4. 4

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  5. 5

    NHKドラマ10「魯山人のかまど」は早くも名作の予感! 藤竜也は御年84歳、枯れてなお色香漂う名演技

  1. 6

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  2. 7

    トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声

  3. 8

    シリーズ「ビートルズin紅白」①:ザ・ビートルズメドレー(1982年)

  4. 9

    九国大付の暴力、日大三の猥褻動画事件…今や「野球バカほどNG」プロスカウトが断言するワケ

  5. 10

    萩本欽一(2)「スポンサーなし、出演料なし」でBS番組に挑戦 「今のテレビは面白すぎてつまらなくなった」