岩井三四二(作家)
1月×日 お久しぶりです。この「週間読書日記」は、3年半ぶりの登場です。
さて、中島京子著「長いお別れ」(文藝春秋 726円)は、認知症の物語である。登場するのは中学の元校長先生。
元校長先生と高校も一緒、大学も一緒で、苦労をしてきた中村先生が亡くなった。元校長先生は次女をつれて、お通夜の間、沈痛な面持ちで目礼をした。そこへ「東(元校長先生の名前)!」とハギワラ氏の声がかかる。やあやあ久しぶりだなとうれしそうに声をあげた末に、「え? 誰か死んじゃったのか?」とトンチンカンな声。ハギワラ氏の目が泳ぐ。「何、中村、死んじゃったのか?」。ハギワラ氏が再度泳いで……。とにかく死に関する考え方で、我々を導く。
1月×日 服部省吾著「戦闘機の戦い方」(PHP研究所 565円)。ただいま近未来小説を書いており、その1冊として書いたものだが……。うーむ、古い。古すぎる。「アルファ・フライト、チェック・イン」(A編隊、応答せよ)。「アルファ・ツー」(A編隊の二番機)……。無線応答は参考になるものの、やはり鮮度が悪い。考えてみれば、「本書は、1996年7月にPHP研究所より刊行された」なので30年前である。きっと戦闘機は、文書より素早く交代しているに違いない。そこで「自衛隊新戦力図鑑2026」(サンエイムック 1200円)を買ってみた。これはいい。「24式装輪装甲戦闘車」「F-35B 訓練開始」など、参考になる。長射程ミサイルに重きをおいており、やれ超音速だ、射程は300~400キロメートルだの、JSMだ、350キロメートル以上だのと教えてくれる。ミサイルはとくに長距離がものをいうらしい。とにかく陸海空の三軍にわたる。これは買いだ。ただし、中毒にならないように。
陸海空軍がドンパチした挙げ句に、ロシア・ウクライナ戦争を思い出した。未だ戦争は終わらぬようだ。痛烈な思いがする。



















