選挙と民主主義

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「民度」善教将大著

 強引きわまりない高市首相の強行解散でまたも選挙。果たしてこの国の民主主義はどうなっているのか。



「民度」善教将大著

 民主主義の危機が叫ばれる現在、「民度」は重要な政治的指標になる。「民度が低い」は、昔は知的レベルの低い未成熟な社会を意味したが、いまやアメリカの移民排斥報道など民度の低さそのものに思えても仕方ないだろう。

 本書は「民度が内包する政治的性格」を主題とする政治学者の著。政治意識を専門とする著者は多数の意識調査を参照して実態をあぶりだす。たとえば若年層の政治知識は年寄りが思うほど低くなく、若者は見た目に左右されやすいとする見方も10代はともかく、20代でこの傾向は見られない。ただし日本の若者は、他国の同世代と比べて、自分たちの意見(投票)の有効性が低いと感じる度合いが高いという。実は選挙権年齢の引き下げに最も消極的なのは高齢者でなく若年層だったというのである。

 興味深いことに本書は世論や意識調査のデータを妄信していない。すべての回答者が誠実に答えているわけではなく、質問を読み飛ばしたり、意図的に本音と異なる回答をしたりする「機微バイアス」などの例を紹介する。民度とは結局、大衆の意識のことだろう。それがきわめてもろく、変わりやすいものであることが本書全体から伝わってくる。 (中央公論新社 1265円)


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