選挙と民主主義

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「新しいリベラル」橋本努、金澤悠介著

「新しいリベラル」橋本努、金澤悠介著

 ほとんどの政党が消費税減税を掲げるという今回の奇妙な選挙。それが保守化した現代の多数派の意思なのだろうか。本書は「大規模調査から見えてきた『隠れた多数派』」が副題。日本ではアメリカのように「リベラル」を強く否定する向きは少ないが、成長志向でネオリベ政策のほうに親和的といった昔ながらのリベラルとは違う傾向もあらわだ。

 本書は社会思想史と社会調査の専門家が取り組んだ「新しい中間層の可視化」の研究から生まれた新著だ。仮説のひとつは「新しいリベラルは〈戦後民主主義〉的な論点には強くコミットしていない」というもの。現に著者たちが調査結果から「新しいリベラル」に類別する人の中には自身の政治的立場を「保守」と回答する人が2割程度いるという。たとえば日米安保を解消すべきだというのは1割、従軍慰安婦問題での韓国が納得するまでの謝罪を不要とするのは6割だ。しかし非核三原則支持も6割を占めるなどやはりリベラルな側面が目立つのだ。

 彼らの多くは子育て世代だが、自身の政治的立場についての自覚は薄い。しかしそれは我が子の将来の政治環境への関心が薄い、ということでもあるのではないか。

 団塊ジュニアとその後の世代が多くを占めるだろう「新しいリベラル」。どこまで日本の未来を任せられるのだろうか。 (筑摩書房 1320円)

【連載】本で読み解くNEWSの深層

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