映画「ゴジラ-1.0」の奥深さ 怪獣映画のセオリーを無視、“盲点”を突いた舞台設定

公開日: 更新日:

 東宝がゴジラ70周年記念として送り出した映画「ゴジラ-1.0」が2週連続興行収入1位となり、大ヒットの予感だ。

 すでに累計で観客動員数135万人、興収21億円を超えており、これは興収82.5億円を記録した「シン・ゴジラ」に匹敵するペース。

 傑作の誉れ高い「シン・ゴジラ」の印象が強すぎて、東宝は新作の企画に苦労したそうだが、1954年の1作目の約10年前を舞台にするアイデアにより、かつてないタイプのゴジラ映画を実現させた。

■盲点だった舞台設定

 映画批評家の前田有一氏はこう語る。

「『シン──』も含め、怪獣映画はまず軍隊や自衛隊が迎え撃つのがセオリーですが、この時代の日本はGHQによる占領下で反撃手段を持っていません。しかし、蹂躙されるがままの人々は、家族を守るため、やがて連帯して立ち上がります。まともな武器などない中で、知恵と勇気を振り絞って無敵のゴジラに立ち向かう物語は、思わず胸が熱くなります。これまで盲点だった、見事な舞台設定といえるでしょうね」

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした