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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

映画「国宝」のヒットから間髪入れず…体重13キロ減で挑んだ「ばけばけ」吉沢亮の役者魂

公開日: 更新日:

「天皇の料理番」で話題だった鈴木亮平

 それで思い出したのが鈴木亮平。2015年の「天皇の料理番」で佐藤健演じる主役の秋山篤蔵の兄・周太郎を演じた。結核を患い、病床にあってどんどん痩せていくさまには絶句。心配になるほどの激痩せは今も語り草だ。

 現在、「リブート」に主演しているが、全身整形などほどこさなくとも「セルフリブート」で別人になりきれるのではとさえ思えてくる。

 役者魂は何も肉体改造だけに限らない。今期ドラマ「テミスの不確かな法廷」で松山ケンイチが見せる芝居も驚嘆に値する。松山が演じているのはASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠陥多動性障害)の特性を抱えた裁判官。視線の泳がせ方から手の微妙な動きまで繊細に演じる愛されるキャラクターだ。

 かつては映画「楢山節考」で老女を演じるために前歯を抜いたという坂本スミ子や、映画「異母兄弟」に出演した際、30代半ばで老け役を演じるため、やはり歯を10本も抜いたという三国連太郎など「役者魂」を伝えるエピソードをよく聞いたものだ。

 それがいつの間にやらアイドルがドラマの主役を務め、周囲もちやほやするから役者という仕事が片手間でもできるもののように見えてしまう時代になった。

 だが、最近、吉沢や鈴木、松山のように役と真剣に向き合い、体も芝居もとことん使って人物を生きようとする俳優が存在感を増している。彼らが画面に現れるとドラマの空気が変わる。登場人物がただの「役」ではなく、そこに生きている人間に見えてくる。

 演じることと真剣に向き合う本物の俳優が現れ始めたことで、またテレビドラマが面白くなるのではないか。ドラマを面白くするのは企画でも話題性でもない。最後にものをいうのはやはり「役者魂」ではないのか。

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