温州ミカンに多し 「β-クリプトキサンチン」の健康パワー

公開日: 更新日:

 寒くなると出回るのが「ミカン」。昔から「ビタミンCが豊富」「食べると風邪をひかない」などといわれてきたが、最近の研究によって改めて健康効果が実証された。風邪だけでなく肝機能障害や骨粗しょう症などにも効果が期待できるという。そうした健康効果をもたらす成分が「β―クリプトキサンチン」。聞きなれない名前だが、いったい何者?

「β―クリプトキサンチンとは、ニンジンに含まれるβ―カロテンと同じカロテノイドの一種で、ミカンの橙色の色素成分です。ビタミンAの原料ともなり、抗酸化力が非常に強いので、たくさん食べると病気にかかりにくくなるといわれています」

 こう言うのは管理栄養士の安中千恵氏。その他のカロテノイドの例としては、トマトのリコピンなどが挙げられる。

 このβ―クリプトキサンチンが注目されたきっかけは、「三ケ日町研究」と呼ばれる疫学調査。農研機構果樹研究所(静岡市)と浜松医科大などが2003年に始めたもので、「三ケ日みかん」ブランドで知られる静岡県西部の三ケ日町の住民1000人以上を対象に、ミカン食と健康の因果関係を長期的に調べた。その結果、ミカンに含まれるβ―クリプトキサンチンが、インスリン抵抗性や肝機能障害、喫煙・飲酒による酸化ストレス、メタボ、骨粗しょう症に対して予防などの健康効果が期待できることがわかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い