がんウイルス療法の時代がやってくる

公開日: 更新日:

 がん細胞のみで増殖する「がん治療用ウイルス」を使って、がんを退治しようとする新たな治療法が始まっているのをご存じでしょうか。

 この「治療用ウイルス」は、がん細胞に感染した後にその中で増殖し、宿主であるがん細胞を殺してしまいます。増殖した「治療用ウイルス」はその後、周囲のがん細胞への感染を繰り返し、そのたびごとにがん細胞を殺していきます。

 一方、正常な細胞に感染しても増殖はせずダメージを与えません。昔からウイルスに感染したがん患者さんのがんが縮小することがしばしば報告されており、ウイルスはがん細胞内で増殖しやすいことがわかっています。この性質を応用したのが「がん治療用ウイルス」なのです。

 実はこの治療法は以前から考えられていましたが、実際に“がん細胞の中だけでよく増殖し、正常細胞では増殖しないウイルス”を作ることができなかったため、治療として用いることができませんでした。しかし、いまは遺伝子工学を使い、「がん治療用ウイルス」となる単純ヘルペスウイルスなどが作れるようになったことで、現実的な治療に近づいたというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も