タレント生稲晃子さん 焦りと恐怖が高まったがんの再々発

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 再発が見つかったのは翌年です。右胸にニキビのようなものができて、それが悪性腫瘍でした。ただ、幸いにも皮膚に出てきたものだったので、部分麻酔をして切っておしまい。外来手術でした。先生と話しながら、手術中の音や電気メスで切除しているときのなんともいえない“におい”を経験として楽しんだ感じです(笑い)。その時も、ただ“傷が増えたな”と感じた程度でした。

 しかし、ホルモン療法と定期的な検診を続けていた13年10月、医師の触診で再々発が発覚したんです。さすがに焦りと恐怖が高まりました。いよいよもって、「これはよほどタチの悪いものなのだろう。覚悟しなきゃ……」と思った瞬間です。

「まれに良性のこともあるから」ということで組織を取る部分切除を経て、その年の12月末に右乳房を全摘出する手術を受けました。年末年始でレギュラー番組の収録に少し時間が空くタイミングでした。

 再々発の告知から数カ月間は、人生最大に落ち込みました。「私はいったいどんな悪いことしたんだろう……」と自問自答したり、「せっかく産んでくれたのに……」と亡き母に対して申し訳なく思ったり、自分の右胸に謝ったり……。手術前には、「次に見るときは見えなくなっているのか」と右胸がいとおしくなりました。麻酔がかかる寸前まで、胸に触れていたほどです。

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