タレント生稲晃子さん 焦りと恐怖が高まったがんの再々発

公開日: 更新日:

 再発が見つかったのは翌年です。右胸にニキビのようなものができて、それが悪性腫瘍でした。ただ、幸いにも皮膚に出てきたものだったので、部分麻酔をして切っておしまい。外来手術でした。先生と話しながら、手術中の音や電気メスで切除しているときのなんともいえない“におい”を経験として楽しんだ感じです(笑い)。その時も、ただ“傷が増えたな”と感じた程度でした。

 しかし、ホルモン療法と定期的な検診を続けていた13年10月、医師の触診で再々発が発覚したんです。さすがに焦りと恐怖が高まりました。いよいよもって、「これはよほどタチの悪いものなのだろう。覚悟しなきゃ……」と思った瞬間です。

「まれに良性のこともあるから」ということで組織を取る部分切除を経て、その年の12月末に右乳房を全摘出する手術を受けました。年末年始でレギュラー番組の収録に少し時間が空くタイミングでした。

 再々発の告知から数カ月間は、人生最大に落ち込みました。「私はいったいどんな悪いことしたんだろう……」と自問自答したり、「せっかく産んでくれたのに……」と亡き母に対して申し訳なく思ったり、自分の右胸に謝ったり……。手術前には、「次に見るときは見えなくなっているのか」と右胸がいとおしくなりました。麻酔がかかる寸前まで、胸に触れていたほどです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動