タレント生稲晃子さん 焦りと恐怖が高まったがんの再々発

公開日: 更新日:

■入院前に7歳娘と銭湯に

 忘れられない出来事は、入院する前に娘と銭湯に行ったことです。当時7歳だったかな。娘は以前から「銭湯に行きたい」と言っていたんですが、手術で胸を取ってしまったらもう行けないかもしれないと思ったんです。そこは昔ながらの銭湯で、お釜型の古~いドライヤーがあって、2人で写真を撮ったりして(笑い)。一番幸せで一番悲しい時間でした。

 でも、娘のために命を優先するのは母親として自然なことです。全摘出に迷いはありませんでした。ただ、最初にお話ししたようにつらかったのはそこからです。乳房の同時再建手術の際、胸の筋肉の下にエキスパンダー(皮膚拡張器)という袋のようなものを入れて、皮膚を伸ばすのがとにかく痛かった。

 早い人は半年ぐらいで伸ばした皮膚が落ち着いて、シリコーン製のインプラントに入れ替えると言われます。でも私の場合、放射線治療をしていた影響で伸びにくい皮膚になっていたそうで、2年間かかりました。圧迫感とともに、ズキンズキンと24時間ずっと寝ても起きても痛い。最終的には皮膚が伸びずに肋骨がゆがんでしまったほどでした。でも、今は無事に再建手術も済み、つらかったことを忘れる瞬間もあるんですよ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方