著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がんの「部分切除」の割合 沖縄県は三重県の2倍

公開日: 更新日:

■患者を引き受ける人数が多い県は低くなる?

 トップは沖縄県。なんと県内で行われた乳がん手術の3分の2近くが部分切除でした。他にも四国や東北各県で、部分切除の比率が高くなっています。最下位は三重県で、こちらは部分切除が3分の1に達していません。沖縄県と三重県を比べると、部分切除の格差は、なんと2倍にも達しています。次いで岐阜県、愛知県の順で、東海地方は全切除が盛んであることが分かります。

 部分切除では、がん組織を完全に取り除けたかどうかを、手術中に病理診断を行って確認する必要があります。また術後は放射線照射などの処置も必要になります。つまり部分切除を多く行うためには、病理医や放射線治療医が必要になるわけです。実際、三重県や岐阜県では、手術件数の割に病理医も放射線治療医も不足気味です。

 一方、がんが進行して乳房全体や、胸筋にまで広がっている場合は、全切除するしかありません。愛知県は北陸を含む周辺他県から重症患者を多く受け入れているため、部分切除の割合が低くなっているのかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」