事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か 麻酔専門家に聞いた

公開日: 更新日:

「そうならないように、少量の麻酔薬でテストを行い、管の位置を確認します。間違った場所であれば足のしびれや動かないなどの症状が出るので、異変を見逃さない。不適切な場所に刺さっている恐れがあれば、すぐに管を抜きます」

 15年に無痛分娩で出産し、その後意識を失い今年5月に亡くなった女性は、麻酔直後、足に力が入らなくなり異変を訴えていた。しかし医師は外来診察でその場にいなかったため、一気に状態が悪化。医師が異変に速やかに対応していたら、全く違う展開になっていたかもしれない。

■無痛分娩にガイドラインはなし

 硬膜外麻酔は全身麻酔と違い、麻酔科医以外でも行える。だから麻酔科医を置いていない産科は珍しくないが、急変に対応するには麻酔科医がいることが理想だ。

「そうでないのなら、医師、看護師、助産師らが救急対応の資格を持ち、適切な処置を行えるようにすべき。ところが実際は、人員不足や、無痛分娩に対する認識不足などのさまざまな理由から、それらがおざなりになっているのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも