骨を丈夫にするだけじゃない ビタミンDの驚くべき実力

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 米国の病院で早期肺がん手術を受けた患者の5年間無再発生存率を調べたところ、夏に手術を受けて食事からビタミンDを多く取った群は、冬に手術を受けてビタミンD摂取が少なかった群に比べ倍以上成績が良かった。最近はパーキンソン病認知症、うつなどとの関係も報告されている。

 ビタミンDにはなぜこんな力があるのか? 人は37兆個の細胞から成り、その多くは細胞核を持つ。その中に染色体があり、親の容姿や性質を伝える遺伝子が乗っている。

「ビタミンDは体内で2度代謝して活性型ビタミンDとなり、細胞核の受容体に作用して遺伝子を動かすスイッチ役となるのです」(浦島教授)

 ビタミンD受容体は小腸、骨、腎臓、副甲状腺、皮膚、脳、筋肉、肝臓、免疫細胞などほぼすべての組織で見つかっており、多くの遺伝子発現に関係すると考えられている。

 その中にはがんを抑制したり、異質な細胞をアポトーシス(自死)させたり、細胞周期に影響を与えたり、免疫細胞に作用して天然の抗生物質となる物質を合成する遺伝子なども含まれる。小腸でカルシウムの吸収を高めるなどして骨を丈夫にさせる働きは、そのひとつにすぎないのだ。

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