唾液の質・量が変わる 歯を失う人の転機は「50歳」から

公開日: 更新日:

 それを証明する研究はたくさんある。秋田県角館町の31~80歳の住民250人を31歳から10歳刻みで5群に分けて10分間、安静時総唾液分泌量を測定した研究がそのひとつだ。結果、男性は51歳以降、女性は61歳以降、目立って唾液量が減った。最近のドライマウスの患者数も50代以降急激に増える傾向にある。

「加齢で唾液の質も変わってきます。ひと口に唾液といっても3種類あります。サラサラとネバネバ、その両方を合わせた混合性の唾液です。健康な人はこの3種類がバランスよく分泌されています」

 その割合は安静時と食事時では変化する。安静時では耳下腺からサラサラの唾液が全体の20%、混合性の唾液が顎下腺からが75%、舌下腺から5%分泌されている。

「しかし、食べ物を咀嚼したり、食べ物により味覚や嗅覚が刺激されると耳下腺からの分泌量が大きく増えて、全体の50%以上を占めます。ところが、年とともに耳下腺実質残存率も低下するため、安静時・食事時にかかわらず耳下腺から分泌されるサラサラの唾液量の割合が減り、口腔内全体に粘り気のある唾液が増えてくるのです」

 サラサラの唾液が減り、粘り気のある唾液が増えると口腔内の虫歯菌が糖分を分解して産出する酸を中和する力が弱くなる。その結果、虫歯菌が繁殖してしまう。

「唾液の質と量の変化が中高年の虫歯が増えていく一因なのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性