著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

各都道府県が「受動喫煙をなくす」条例を制定してほしい

公開日: 更新日:

 たばこを吸う人ではなく、その周りの人がたばこの煙を吸い込むことを「受動喫煙」といいます。国立がん研究センターの報告によると、日本国内ではたばこを吸わないのに受動喫煙の影響で年間1万5000人が亡くなっているといいます。

 分煙しても、実はたばこの臭いを嗅いだだけで健康被害を受けます。喫煙者の周りの人は、喫煙により生じた有害物質を多く含んでいる副流煙(たばこの先から出る煙)、呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)を吸わされるのです。

 奈良県の生駒市役所では、この4月からたばこを吸う人に対して喫煙後45分はエレベーター利用を禁止したそうです。喫煙後の息に含まれる有害ガスが通常に戻るまでの時間を考慮したのです。 先日、あるがん対策会議の席上で、このたびの国のたばこ対策が話題になりました。当日の報道を要約すると対策は次のような内容になります。

 昨年3月、厚労省は30平方メートル以下のバーやスナック以外を原則禁煙とする骨子案を公表。昨年の通常国会で法改正を目指したが、厳しい規制を訴えた塩崎恭久厚労大臣と飲食店の客離れを懸念する自民党側の調整がつかず、法案を提出できなかった。しかし、今回は、飲食店は原則屋内禁煙とするが、客席100平方メートル以下で、個人経営か資本金5000万円以下の中小企業が経営する既存店では、例外的に喫煙を認める。つまり、昨年よりも緩めた案を閣議決定したことになり、昨年の案よりも受動喫煙対策は大きく後退したということです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか