炎症性腸疾患が急増中 早期に発見するための2つのポイント

公開日: 更新日:

「炎症性腸疾患は難治性疾患で、治療法が少なく治らないとされてきました。腹痛や下痢などで欠勤の割合が非患者より有意に高く、患者のキャリアプランや教育プランに影響を及ぼす可能性があった。しかし2000年以降の治療法の進歩で、炎症性腸疾患は難治性疾患ではなくなりつつあります」

 炎症を抑える治療を速やかに始めれば、比較的短い期間で寛解(症状が一時的または継続的に治ったようになる)に至り、長期間維持できるようになったのだ。

 炎症性腸疾患は、遺伝的素因、腸内細菌、環境因子などが原因で腸管粘膜に免疫異常が起こり、再燃(寛解した後に炎症再発)や増悪(症状悪化)に至る。

■2000年以降は治療が大きく進歩

 以前の治療の目標は炎症症状を抑制することで、成果はあまり得られなかった。ところが00年以降、免疫抑制主体の治療に変わり、前述のように、難治性疾患ではなくなった。炎症が完全に抑えられ、無症状となることも多くなった。

「炎症性腸疾患は、細菌やウイルスなどに刺激されて免疫反応が働き、炎症が起こると考えられています。そして腸のバリアーが破れ、炎症がますます起こり、免疫担当細胞から炎症性の物質が産生され、悪循環に至る。これを止めるには、一つの炎症性物質を抑制すればいい。00年以降、TNFαという物質を抑制する治療法が画期的な効果を発揮し、注目されるようになりました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも