食後の胸焼けは要注意 胃酸は「歯・耳・のど」まで蝕む

公開日: 更新日:

「ところが、年を重ねると下部食道括約筋が緩んできて、逆流性食道炎を発症しやすくなります。肉などタンパク質の多い食べ物を取ると、十二指腸からコレシストキニンと呼ばれるホルモンが分泌され、下部食道括約筋が緩みやすくなり、胃酸も分泌しやすくなります。肥満、猫背など姿勢が悪い人、便秘気味の人は胃を圧迫しやすいので要注意です。食べてすぐに横になる人は、物理的に胃酸が逆流しやすくなります」

 胃酸が胃から食道に逆流すると食道の粘膜を刺激し、炎症が起きたり、ただれや潰瘍ができたりする。逆流した胃酸は食道から肺につながる気道の入り口(喉頭)にダメージを与えて炎症を起こす。その結果、慢性的な咳を出したり、ポリープを作ったりして声をだみ声に変えたりするという。

「最近ではとくに睡眠中に逆流した胃酸が食道にとどまらず口の中へ逆流するケースが増えているのです。歯は酸に弱いが、通常は唾液が酸を中和してくれるため問題がありません。ところが、酸性度の高い飲み物を繰り返し取って酸に触れるうちに、歯の表面のエナメル質が溶け、その内側の象牙質までダメージを受けてしまうのです。しかも、酸蝕歯は虫歯と違い、障害を受ける範囲が広いことが報告されています」(木村院長)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」