アルツハイマー病の新たな“共犯者”ミクログリア細胞の正体

公開日: 更新日:

 もうひとつは頭部打撲などによって脳または脳を包む髄膜が損傷し、その刺激でミクログリアが活性化するケースだ。

「ほかにも腸や内臓に生じた炎症で迷走神経が活性化、その刺激が脳内に伝わりミクログリアが活性化するケースなども検討されています」

 この細胞が厄介なのは、通常の免疫細胞と違って外部刺激の強弱に応じて活性化の強弱が決まらないことだ。

「ミクログリアは、怒っている人が、自分の発した言葉に興奮して怒りに拍車をかけるように、小さな刺激でも、時間の経過とともに強く活性化することがあります。自分で発した炎症性物質を、新たな刺激としてとらえる受容体があり、それ故に激しく活性化する自己活性化ループというシステムを持っているからです」

■痛みや発達障害にも関係

 つまり、ミクログリアは軽く思える病気やケガで生じた小さな炎症でも活性化し、長時間をかけて過剰活性化する可能性がある。しかも、いったん活性化すると簡単に沈静化しない。20年以上かけて脳神経を破壊して認知機能を低下させるアルツハイマー型認知症の犯人と疑うには十分な素養を持った細胞なのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった