「HTLV-1」国内感染者は108万人以上 夫婦間が多いとされる

公開日: 更新日:

 白血病・リンパ腫の一種で「成人T細胞白血病(ATL)」という病気がある。原因は、血液中の白血球のひとつであるTリンパ球に感染する「ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV―1)」。

 主な感染経路は母子感染(授乳)だが、性交渉でも感染する場合がある。

 性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長が言う。

「国内の感染者は少なくとも108万人とされ、うち母子感染は60~70%、性感染は20~30%程度と推定されています。HTLV―1の感染力は非常に弱く、感染したTリンパ球が生きたままの状態で他人の体内に入らないと感染しません。性感染では精液中に含まれる感染リンパ球が原因と考えられ、多くは男性から女性へうつる。だから長期にわたって同じ人との性交渉が続く夫婦間での感染が多いとされます。夫婦間での感染頻度については、明確なデータはありません」

 HTLV―1が体内に入り込むと、排除しようと免疫反応が起こり、HTLV―1に対する抗体が作られる。普通は抗体の働きでウイルスが排除されるが、Tリンパ球に侵入したHTLV―1は、さらに遺伝子の中まで入り込んでしまい、抗体では排除できない。そのため、HTLV―1は侵入したTリンパ球の遺伝子の中で生き続ける「持続感染」の状態になるのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択