著者のコラム一覧
熊本悦明医師

1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒。日本メンズヘルス医学会名誉理事長、札幌医科大学名誉教授。現在は「オルソクリニック銀座」(東京・中央区)で、名誉院長として診療中。近著「『男性医学の父』が教える 最強の体調管理 テストステロンがすべてを解決する!」(ダイヤモンド社)がある。

男性の更年期に「男性ホルモン補充療法」という選択肢

公開日: 更新日:

 53歳でうつ状態になり、心療内科を受診した男性(Y・Sさん)の場合はこうだ。

「この患者さんは抗うつ剤を処方されていました。長期にそれを服用していたのですが、症状は改善されず、健康度も落ちていくばかり。この方もテストステロンを補充投与すると、グラフ図(健康度を把握するチェックシステムでグラフが大きいほど良好)のように症状が改善されました。この間、抗うつ剤を少しずつ減量して、完全にやめるまで1年半かかりましたが、今では行動活性も増えゴルフではカートではなく歩きながらできるほどまで“元気”が回復しました。国際的な男性ホルモン治療報告のまとめによると、男性ホルモンを投与することによってうつ症状が改善し、社会的活性度も自信も回復、疲労感も少なくなるというものがあります。この報告は、更年期障害のいろいろな症状改善を的確に表していると思います」

 とはいえ、男性ホルモン補充療法に副作用はないのだろうか?

「まったくそんなことはありません。私の70代の患者さんで奥さんが『男性ホルモンを打ったらがんになる』という迷信に惑わされて反対し、治療を一時中断した方がおられました。せっかくパワフルになられたのに、元気がなくなり、耐え切れずにまた、私の元に。『妻がうるさいので』と間隔を空けたのが悪かったのか、以前ほどの効果は出ません。極めて残念な事例ですね」

(構成=中森勇人)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に