著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

複数のダイエット方法を比較した論文が その結果とは?

公開日: 更新日:

 炭水化物の摂取を控える糖質制限ダイエットなど、ダイエットの方法にもさまざまな種類があります。インターネット上には「簡単に痩せられる」などといったダイエット方法も紹介されているようですが、どんなダイエットが最も効率的な方法なのか医学的な根拠は限定的でした。

 そんな中、英国医師会誌の電子版に複数のダイエット方法を比較した研究論文が2020年4月1日付で掲載されました。

 この研究は、18年までに報告された、18歳以上で、BMI(体重〈キロ〉÷[身長〈メートル〉の2乗]で算出される体格指数)が25~29の体重過多、もしくは30歳以上の肥満者を対象とした研究データを統合解析したものです。最終的に、121件の研究に参加した2万1942人(平均49・0歳)が解析対象となりました。一般的な食事、糖質制限ダイエット、脂質を控えるダイエット、適度な量の栄養素をバランス良く摂取するダイエットが比較され6カ月後および12カ月後の体重減少に対する効果が比較されています。

 その結果、6カ月後の体重の減少は、通常の食事と比較して糖質制限ダイエットで4・63キロ、脂質を控えるダイエットで4・37キロ、適度な量の栄養素をバランス良く摂取するダイエットで3・06キロ、統計的にも有意に低下しました。しかしながら12カ月後には、いずれのダイエット法においても、通常の食事と比較した体重減少量は1~2キロという結果でした。

 体重減少に対するダイエットの効果は、方法の違いによる差異は小さく、長期的にはその効果も減弱する可能性が示されています。バランスの良い食事という観点からも、炭水化物や脂質を極度に減らすダイエットよりは、適度な量の栄養素をバランス良く摂取できるような食習慣が大切かもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」