着物は冬温かく夏涼しい 3カ所の開口部で通気性に優れる

公開日: 更新日:

 ところが、着物の下に腰巻きや、パッチ(長いズロース)を着用すると、着物姿の平均皮膚温が、33・01度に上がったという。

 33度は人間が最も快適に感じる平均皮膚温だが、洋装だと、見栄えもあって洋装の下にパッチなど厚手の下着は着用しにくい。その点着物は、他の人から見えず、着用の工夫で、洋装よりもはるかに温かくなるといわれている。

 また、着物と温度の関係で、こんな実験もある。「快適と思う室温にできる実験用小部屋」を用意。被実験者に順次、入ってもらい、快適な温度調節をしてもらう。その結果、着物着用者たちは、快適な室温を、20~22度に設定したのに対し、洋服着用者は、少し高い24~26度に設定したという。着物着用者は、気温が低い状態でも快適と感じたのだ。

 では、夏場はどうか。日頃から着物を着ている人たちに「着物の暑さ対策」のアンケートも実施したところ、意外にも夏は保冷剤の使用や、長じゅばんをしないなど10項目に及ぶ対策の中で、トップは「汗取り下着」の着用だったという。

 着物は、開いた襟首や袖口、裾の3カ所に大きな開口部がある。そこから熱した体温が通り抜けていくという通気性に優れた衣装であるため、夏の浴衣も、衣文(首から襟を少し離した着方)の注意や、ゆったりとした着用に心がけたら、涼しい衣装になるのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ