著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ケアが手厚くなるほど認知症患者の徘徊リスクは低減できる

公開日: 更新日:

 高齢化に伴い、認知症を患う人は増加しています。2018年における認知症に関連した行方不明者は1万6927人で、年々増加の一途をたどっています。徘徊(はいかい)した先で事故などに遭遇し、ケガをしたり、死亡してしまうケースも少なくありません。さらに、認知症患者さんの徘徊行動は、介護者にとっても大きな負担となります。

 しかし、こうした徘徊行動を防ぐ有効な手だては存在せず、社会的にも大きな課題となっています。そんな中、日本における認知症に関連した行方不明者に関する研究論文が日本疫学会誌の電子版に、20年6月27日付で掲載されました。

 この研究では、18年における認知症に関連した行方不明者と死亡者を警察庁の統計データから取得し、その発生率に影響を与える要因の探索が行われています。

 その結果、年間10万人当たりの認知症関連の行方不明は21・72件、死亡は0・652件でした。行方不明者の発生を低下させる要因について解析をしたところ、65歳以上の高齢者10万人当たりの介護施設が1施設増加すると7・9%、保健師が1人増加すると3・2%、統計的にも有意に低下することが示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった

  2. 2

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ

  5. 5

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  1. 6

    今季日本人13人参戦の米女子ツアー 厄介な「敵」は会場ごとに異なる芝質だけではない

  2. 7

    まさか破局? 綾瀬はるか《痩せすぎじゃ?》の声で気になる11歳年下アイドルとの結婚の行方

  3. 8

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  4. 9

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  5. 10

    フジテレビ危機で泣いた松本潤、笑うキムタク…「どうする家康」の黒歴史を“上書き”できない不運