著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

血管への後遺症「ドイツでは回復者の6割以上に心臓の異常」

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの細胞への入り口であるACE2は当初、のどや鼻、肺の奥と言われてきた。ところが、その後の研究の結果、ACE2は全身の血管の内側の血管内皮にも存在することがわかり、新型コロナウイルス感染症患者の多くは全身の血管にダメージを受けることがわかっている。

 例えば、川崎病に似た症例が世界各地の新型コロナウイルス感染症患者から報告されている。

 川崎病は全身性の血管炎症候群で、発熱、両側眼球結膜の充血、いちご舌などの口唇・口腔所見、発疹、手足の硬性浮腫などの四肢末端の変化、非化膿性頸部リンパ節腫脹の6つが主要症状とされ、5症状以上を呈する場合に川崎病と診断される。その原因は明らかでないが、細菌あるいはウイルス感染、スーパー抗原、自己抗原などが原因として考えられている。

 日本川崎病学会は5月7日の段階で日本に新型コロナウイルス感染症に関連する川崎病の症例報告はないとしているが、それは日本でのPCR検査件数が極端に少ないためかもしれない。

 川崎病になると、冠動脈などの血管炎や冠動脈瘤が生じることがあるが、 細い血管の炎症が原因とみられる皮膚症状が、特に若い新型コロナ患者で出現するとの報告が寄せられている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小泉進次郎「無知発言」連発、自民党内でも心配される知的レベル…本当に名門コロンビア大に留学?

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    9日間の都議選で露呈した「国民民主党」「再生の道」の凋落ぶり…玉木vs石丸“代表負け比べ”の様相

  5. 5

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  1. 6

    野球少年らに言いたい。ノックよりもキャッチボールに時間をかけよう、指導者は怒り方も研究して欲しい

  2. 7

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    28時間で150回以上…トカラ列島で頻発する地震は「南海トラフ」「カルデラ噴火」の予兆か?

  5. 10

    自転車の歩道通行に反則金…安全運転ならセーフなの? それともアウト?