著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

新型コロナの世界的な大流行は米中の経済戦争が影響している

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■ウイルスによって人口の入れ替わりを強いられる

 このような状況を生んでしまった背景には、米国と中国による「経済戦争」があると考えられます。かつて、世界的に経済が冷え込む状況の多くは、戦争によって起こっていたといえます。戦争が始まると一時的に景気が沸き、終戦を迎えると全体的に冷え込んでいきます。戦争では人口動態の入れ替わりが起こります。働き盛りの世代が数多く亡くなることで、国を挙げて「産めよ増やせよ」が推奨され、全体が若返るのです。さらにさまざまな政策を実施して景気を上向かせ、国全体に力が蓄えられると再び戦争に臨む――世界はこのような歴史を繰り返してきたのです。

 しかし、時代を経て世界中が巻き込まれるような武力を用いた大規模な戦争はなくなりました。代わりに登場してきたのが経済戦争で、近年は米国と中国が激しい戦争状態にあります。新型コロナウイルスの世界的な大流行とそれに伴う経済の冷え込みは、その戦争が大きく影響しているといえます。米中の経済戦争の影響によって各国の経済が乱高下し、貧富の格差が大きくなります。経済に余裕がなくなることで、専門家が必要性を訴えていた新興感染症に対する構えがおろそかになり、そこに新型コロナウイルスが現れ、社会における最も弱い層を中心に崩壊が進んだと考えても無理はありません。

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