著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

米誌で研究論文 ヒトはやせるとどれだけ長生きできるのか?

公開日: 更新日:

 肥満の予防や改善は健康的なイメージがあります。確かに、成人期の体重増加と健康リスクの関連性については、これまでにも複数の研究が報告されています。しかし、肥満を改善することによって、どれほど余命が延びるのか、詳しいことはよく分かっていませんでした。そんな中、肥満の改善と死亡リスクの関連性を検討した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナル誌に2020年8月3日付で掲載されました。

 この研究では、米国で実施された国民健康栄養調査のデータから2万4205人(平均54・2歳、男性51%)が対象となりました。研究参加者に対して、25歳時点の体重と10年前(平均44歳)の体重について調査を行い、BMI(体重と身長から算出する体格指数)の変化と死亡リスクの関連性が検討されています。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、喫煙状況などの因子について、統計的に補正を行い解析されました。

 平均で10・7年にわたる追跡調査の結果、肥満が持続していた人(BMI30以上)と比較して、肥満が改善した人(BMI25以上30未満)では、死亡のリスクが54%、統計的にも有意に減少しました。

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