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東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

5つのサイトカインを発見 血液検査で重症化リスクがわかる

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の主な死因は重症肺炎だが、その原因となるのが過剰な免疫反応で生じる「サイトカインストーム」だ。これは感染症などにより、血液中のサイトカイン(主に免疫細胞から分泌されるタンパク質で細胞間の情報伝達などの役割を持つ)が異常に増えて、その作用が全身に及んだ結果、血管の拡張によるショック状態、播種性血管内凝固症候群(DIC)などによる血栓形成や多臓器不全などが起こることを言う。サイトカインの中でも有名なのが「インターロイキン6(IL―6)」で、炎症を伴うさまざまな疾患で高値を示す。他にも重症化に関係するサイトカインがあって、男性は炎症を起こす「IL―8」や「IL―18」などのサイトカインの量が血液中に多く、女性と比べて感染初期の免疫反応に違いがあることがわかっている。

 ごく最近、国立国際医療研究センターは新型コロナウイルス感染症で重症・重篤化した患者の血液から採取したサイトカインに共通する5つを発見。その研究結果が「Gene」誌オンライン版に掲載された。

 研究の対象となったのは軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の患者28人。血液中に流れる抗体の濃度が時間経過と共にどう変化するかを調べた。一方、58人には感染早期に「CCL17」を測定した。

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