著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

5つのサイトカインを発見 血液検査で重症化リスクがわかる

公開日: 更新日:

■感染初期から予測可能

 一連の研究の結果、軽症回復者と重症化患者を分けることが可能な因子として、「CCL17」「IFN―λ3」「CXCL9」「IP―10」「IL―6」が同定されたという。

 とくに重症者のCCL17は、感染初期から数値が基準値よりも低く、その後、重症化するまで低い値が続いたという。一方で、軽症者では健常者とほぼ同じ値だった。残りの4因子は、感染初期では重症者、軽症者にかかわらず違いはなく、重症患者では、重症化する数日前から急激に血中濃度が上昇し、5倍以上に達することがわかった。

 とはいえ、この5つの因子が他の病気でも新型コロナウイルス感染したときと同じような数値の動きをする場合は、新型コロナウイルス感染症の将来の重症度を測るマーカーにはなりえない。はたして、この5つの動きは新型コロナウイルス感染症の重症化に特異的なのだろうか?

 それを調べるため、研究チームは他の疾患群(C型慢性肝炎、児童精神疾患、2型糖尿病、慢性腎不全、慢性心不全、間質性肺炎、関節リウマチ)からの採血で確認したところ、CCL17が低い値を取るのは、新型コロナウイルス感染症の重症者のみだったという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった