膵臓がんリスクが2倍近くも増える…「歯周病」の恐ろしさ

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「前出の通りジンジバリス菌には、ほかの細胞内に入り込む能力があります。それによって、血液脳関門を突破し、脳の中に入り込むのです。ジンジバリス菌は脳のアミロイドβの沈着を促し、アルツハイマー型認知症のリスクを上げます」

 ある研究では、アルツハイマー型認知症で亡くなった10人中4人の脳にジンジバリス菌の毒素LPSが検出され、アルツハイマー型認知症でなかった人の脳からは一人も検出されなかった。

 さらに、アルツハイマー型認知症で亡くなった人の海馬にはジンジバリス菌のLPSが存在していたことを突き止めた研究報告もある。

 歯周病が歯や歯の土台にダメージを与え、咀嚼力を低下させるのも、健康長寿を考える上では大問題だ。

「食べられるものが限定され、栄養面に偏りが出ます。軟らかく煮込んだ料理しか食べられなくなると、ビタミンA、C、Eといった抗酸化物質を取りにくくなる。すると体内の酸化ストレスが増え、慢性炎症が起こりやすくなるのです」

 がんはステージによっては治療が難しく、アルツハイマー型認知症はいまだ治療薬がない。一方、歯周病は予防や治療で進行を抑えられる。がんや認知症をはじめとする重大病のリスクを減らせるのだ。このチャンスを逃してはいけない。

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