著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

精子力の「低下」「老化」の原因と防ぐポイント

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 僕も、患者さんに説明する側として、肥満では話に説得力がないので、体重コントロールをしっかりやっています。BMIという体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数で、18・5~25未満が普通体重に該当します。僕は、46歳ですがBMIは約22を保っています。

 精子力は、肥満だけが関係しているわけではありません。他には、喫煙、薄毛の治療薬、ストレス、不眠、長時間の入浴なども関係します。

■過剰なストレスが精子の元気を奪う

 肥満の次に多いのがストレスです。Bさんは35歳の高校教師です。時期によりますが、進路指導が忙しく、その間は睡眠時間がほとんどとれないこともあるようです。忙しい時期での精液所見は確かに不良でした。妊娠を希望する間は、睡眠を十分に取るようにして、仕事のストレスも軽減するようにお話ししました。

 ストレスが過剰にかかるとテストステロンが低下する原因となります。たまたま、Bさんは転勤で違う高校に赴任となり、そこは以前の高校に比べて落ち着ているとのことで、驚くことに精液所見も改善傾向を示しました。

 精子力が低下する因子はさまざまなものがありますが、どれも生活習慣を見直すことで改善が期待できます。精子力は健康のバロメーターともいえます。該当する項目があれば、まずは、改善を試みてください。

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