ダイエットに失敗する人の「3つの共通点」と管理栄養士が勧める4タイプの体質別対策

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ダイエットに失敗する人の共通点」は、どこにあるのか? ダイエットの個別栄養指導などを行う管理栄養士の高杉保美さんに聞いた。

「1日の摂取エネルギー量が少なすぎる」「タンパク質が不足している」「無理がある食事をしている」――。高杉さんが挙げる「ダイエットに失敗する共通点」はこの3つだ。

「栄養をしっかり取っている人ほど代謝やメンタルが向上し、スムーズに痩せられます。食事指導をすると、『ダイエット中の今の方が、むしろ食べる量が増えた』と驚く人もいます」

 高杉さんがお勧めするのが、体質別ダイエット。食生活や生活習慣で「内臓脂肪型」「皮下脂肪型」「代謝不良型」「ビタミン・ミネラル不足型」に分けられる(表)。対策は次の通り。

【内臓脂肪型】

 糖質過剰で血糖値が上がり、肥満ホルモンのインスリンが分泌されて脂肪をため込んでいる可能性が考えられる。

「主食(糖質)は朝と昼にし、夕飯は主食なしか、控えめに。白米を玄米や雑穀米に替えるのもいいです」

 砂糖やみりんといった調味料にも糖質が含まれているので注意。糖質の吸収を抑制するために、食物繊維が豊富な野菜を先に食べることも大事。

【皮下脂肪型】

 脂質が過剰傾向にあるので、取り方を考える。

「良い油と悪い油があり、良い油は体の脂肪になりにくく健康や美容に役立つのに対し、悪い油は脂肪として体にため込まれやすく、動脈硬化を進行させます。揚げ油、酸化した油、サラダ油、マーガリンやファットスプレッドのトランス脂肪酸は制限を」

 良い油は、オリーブオイルやゴマ油、サバやイワシなど青背の魚に多いDHA、EPAなど。最近はココナツオイルに含まれる中鎖脂肪酸も体に良い油として注目されている。中鎖脂肪酸だけを取り出した食用油が「MCTオイル」として売られている。

「しっかり食べる」が大前提

【代謝不良型】

 1日の総消費エネルギーの約70%を占めるといわれるのが、基礎代謝だ。基礎代謝は加齢と運動不足で下がる。

「まず、運動で筋肉量を増やす。下半身の筋肉を鍛えるスクワットなどをすると、効率よく筋肉量を増やせます。次に、筋肉の原料となるタンパク質を体重1キロ当たり1.2~1.5グラムを目標に取る」

 肉だけでなく、魚、卵、大豆製品のタンパク質と組み合わせて取る。

「水分もこまめに摂取を。水分は脂肪燃焼の材料になります」

【ビタミン・ミネラル不足型】

 外食やコンビニ食が多い生活が続くと、ビタミン、ミネラル不足に陥りがち。

 すると、エネルギー代謝がうまくいかず、太りやすくなる。

「野菜、肉、魚、大豆製品と品数の多い献立を。難しければ、適量のナッツや乳製品を間食に取ったり、サプリメントを活用する。発酵食品は腸内環境を良くし、ビタミン、ミネラルの小腸での吸収を良くするので、意識して取って欲しい」

 高杉さんによれば、ダイエッターのよくある間違いは「油は健康に悪い」「肉は太る」「フルーツグラノーラなどのシリアルはヘルシー」「果物はたくさん食べても大丈夫」「水分を取りすぎるとむくむ」「栄養補助食品は体にいい」。

「良い油、良質なタンパク質は食事でしっかり取ることが適正体重維持につながります。シリアルや果物は糖質を含みますから、取り過ぎは禁物。正しい知識を身につけることが、ダイエットを成功に導きます」

 今度こそ、さらばコロナ太り。

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