著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「社会的手抜き」をなくすことが仕事の効率化につながる

公開日: 更新日:

 こういった全体の意図や意識が絡み合うことで生じるジレンマを、広義で「社会的ジレンマ」と呼びます。その最たる例が、心理学者・リンゲルマンが提唱した「社会的手抜き」(リンゲルマン効果)です。

 リンゲルマンは、綱引きを利用して実験(1913年)を行いました。綱引きに参加する人数を徐々に増やし、力の入り具合がどう変わるかを調べました。

 その結果、1人で綱引きをした際の力の入れ具合を100%とすると、2人の場合は93%に、3人の場合は85%になることが分かりました。なんと8人の場合は、1人当たり49%まで減少したそうです。つまり、集団になるほど、「誰かが何とかしてくれるだろう」という手抜きの心理が働くわけです。

 裏を返せば、人数が増えるほど責任感も分散してしまうことが示唆された。しかも、無意識でこういった心理が働いてしまうというから厄介です。チームで抱えている仕事があったとして、誰も率先して動かないのは、自分が動かなくてもいいだけの人数がいるから--。人が多いからこそ、「社会的手抜き」が起こらないよう、マネジメントしておかなければならないというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒