AIを活用した最新CTは何がすごいのか 低線量と高画質を両立

公開日: 更新日:

「AiCEの開発では、数十万枚のデータをディープラーニングにおける学習用データとして利用しています。低線量で撮影された低品質データから分解能を落とさず、ノイズ成分のみを低減できるよう、ターゲットとなる教師データ(『例題』に対し『正解』に相当するデータ)には当社がこれまで培ってきた再構成技術を応用して作成された高品質データが用いられています。こうして構築したネットワークをCT装置に搭載することで、さらに低線量・高画質、かつ短時間の処理が可能となりました」

 撮影時の被ばく低減については、放射線科医によって同社の従来の「AIDR-3D」と比較した研究結果がいくつかある。

 それによると、撮影条件により、腹部CTでは「約30%低減」、冠動脈CTでは「約40%低減」、小児CTでは「約50%以上低減」できると報告されている。

 また、画像の再構成処理に要する時間は、撮影条件によって異なるが、同社の従来の「FIRST」よりも3~4倍速く処理できるという。

「常に動いている心臓は、CTが苦手とする臓器のひとつですが、当社の『320列CT』では0.2秒台の撮影で検査が可能です。これにAiCEを適用することで短時間かつ、さらなる低被ばく撮影が可能となります。また、がんのフォローアップなどで複数回の撮影が必要となる検査でも、撮影ごとのX線量を低く抑えられるので、患者さんのメリットはより大きくなると考えております」

 同社では、AiCEを搭載した「MRI」や「PET-CT」の販売も展開。X線を使わないMRIでは、大幅なノイズ低減と検査時間の短縮ができるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方