注目される前立腺肥大症の手術「PUL」が保険診療に! 勃起機能維持に期待

公開日: 更新日:

 そこで、冒頭で触れたPULだ。内視鏡を用いてウロリフトインプラントという人工器具を前立腺に4~6カ所留置し、肥大した前立腺組織を持ち上げて固定。尿道が拡張され、症状が改善する。手術時間は20~30分ほど。

 PULについては海外で多数の臨床研究論文発表および臨床データが発表されている。いくつか挙げると、「PUL直後から急激に症状が改善」「TURPなど従来の手術と比べて低侵襲な上、効果の継続は同等」「術後の痛みの回復、患者の満足度は従来手術を有意に上回る」「5年間の追跡調査でPULを受けた80%超の尿閉患者がカテーテル留置不要」など。

 さらに着目すべきは、「PUL後、性機能障害の報告はなかった」(「LIFT Study」論文から)。従来治療では、薬、手術ともに一定の割合で性機能障害が発生する。なお、PULの術後合併症としては、排尿障害、血尿、骨盤痛などだが、いずれも軽症から中等症で、2~4週間で自然に治ることが報告されている。

 加藤院長が言う。

「今までの外科的手術と比べてPULは明らかに障害が少ない。排尿障害がなく、勃起機能などメンタルヘルスを保てる。これまで薬も手術も不適用だった患者さんにも、PULは期待できる」

 現段階では基本的に、従来の手術が適用ではない人が対象だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー