著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

腸内細菌叢も5パターンある 血液型の研究は「病気」から「健康」へ

公開日: 更新日:

 腸内細菌叢は、「生活習慣(食事運動睡眠ストレスなど)」と「遺伝的素因」によって決まると考えられています。遺伝的素因のひとつが、腸の粘膜細胞の組織血液型抗原です。これには分泌型と非分泌型があり、前回紹介したように、細菌の構成に違いが出ることが分かってきました。では、分泌型の中ではどうなっているのでしょうか。ちなみに分泌型の人の組織血液型抗原は、赤血球の血液型抗原と同じです。

 2017年、アメリカの研究グループが、健常者33人から採取した糞便を調べた結果を論文として発表しました。それによると、とくにA型でブラウティア属の細菌が少なく、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属、ツリシバクター属などが多かったそうです。

 まったく聞きなれない名前ですが、ツリシバクターは肥満歯周病、痛風などの進行と関係していると言われており、マウスを使った研究が進められています。またクロストリジウム属の中には、ウェルシュ菌という、普段はおとなしいのですが、人体の抵抗力が弱ってくると食中毒を起こすものが含まれていますし、前回紹介したディフィシル菌もこのグループに入ります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に