著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

青森県平川市が初の助成へ 男性もHPVワクチンを積極的に接種する意味

公開日: 更新日:

 HPVとは、ヒトパピローマウイルスのアルファベット表記で、そのHPVワクチンをめぐって見逃せないニュースが報じられました。青森県平川市が全国で初めて男性のワクチン接種費用も、助成対象にする準備を進めているのです。

 HPVに感染すると、わずかな確率ですが、女性は子宮頚がんになります。感染ルートはセックスです。男性が感染すると、陰茎がんのほか、中咽頭がんや肛門がん、尖圭(せんけい)コンジローマなどの原因に。つまり、HPVによる病気は、性感染症なのです。

 性感染症の治療の原則は、感染者がパートナーと一緒に治療すること。読者の方の中には、何らかの性感染症になって恥ずかしい思いをした人がいるかもしれません。そんなとき、こっそり自分だけ治療しても、妻や彼女が未治療だと、ピンポン感染で自分も再発し、感染を止めることができません。恥を忍んで妻や彼女に感染の事実を告げて、一緒に治療したはずです。

 HPV問題も、根本は同じ。男性も女性と同様にワクチン接種が必要不可欠。実際、欧米では男性のワクチン接種が進んでいて、男性の接種率は豪州で88%、米国で64%に上ります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?