注目の「機能性表示食品」フードロスの解決も期待できる

公開日: 更新日:

「ヒト腸内の細菌叢(腸内フローラ)が人間の心と身体の多くの病気に関わっています。そのため、健康維持に重要な腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるプレバイオティクスの研究が盛んです。その代表的なものが『機能性オリゴ糖』です。いまでは機能性オリゴ糖を効率良く製造するための酵素が発見され、さまざまなものがプレバイオティクスオリゴ糖として流通するようになりました。これも私たち学会での研究成果です」(西尾教授)

■高アミロース米の米粉を使った嚥下食など続々と開発

 今回の学会演題で注目されたのが「高アミロース米を使った米粉による嚥下食の開発」だ。高アミロース米の米粉は水を加え加熱してのり状にしたあと放置すると、ゼリー状に固まる。この現象を嚥下食として利用した。国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構)食品研究部門上級研究員の芦田かなえ氏が言う。

「米の主成分である澱粉は、直鎖状に結合したアミロースと枝分かれ構造のアミロペクチンと呼ばれる2種類の成分からできています。通常の米はアミロースが15%ほどですが、これを25%以上にしたものが高アミロース米です。嚥下機能に障害がある人は、噛む力、のみ込む力が低下しており、普通の食事は食べられません。ごはんを嚥下食にするために、おかゆを炊いて酵素とゲル化剤を加えてミキサーにかけるのは従来大変な手間でした。高アミロース米の米粉から調理したゼリーを嚥下食にできれば、調理の手間を格段に省けると考えています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束