著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「靴」を変えれば膝痛が改善する? 6割が効果を実感 豪州の研究グループが発表

公開日: 更新日:

 2008年に出された厚労省の研究班報告書(介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について)に、変形性膝関節症の自覚症状がある人は約1000万人、潜在的な患者は約3000万人と書かれています。膝の軟骨が変形したりすり減ったりして起こる、痛みや腫れなどが、主な症状です。

 病院に行くと、ヒアルロン酸(保険適用)の注射を打ってくれます。ただし痛みを和らげ、膝を曲げやすくする治療で、完治はあまり期待できません。

 しかも効果が短いため、毎月1、2回打ち続けることになりますし、それが長期にわたると次第に効き目が落ちてきます。

 錠剤のグルコサミンやコンドロイチンを愛用している人も大勢います。こちらはヒアルロン酸より効果が弱いとされており、保険適用になっていません。特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品になっている商品は数多くあります。定期的に通院して注射を打ってもらうよりも、お手軽ではあります。

 しかし手軽という点では、なんといっても「靴」が一番でしょう。変形性膝関節症は靴選びである程度予防でき、痛みを緩和する効果もあることが、経験的によく知られています。とくに今世紀に入ってから、科学のメスが入って、論文数が急増しています。ただし靴の形、サイズ、底やインソール(中敷き)の厚みや硬さ、履き方や歩き方など、パラメーターが多いため、複雑すぎてなかなか決定打が出ない状況です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった